月曜日の午後、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 こんにちは、浅井正仁です。
一部の熱狂的なファンの皆様の声にお答えして、今回も登壇させていただきました。皆様、お付き合いください。
さて、もうすぐおやつの時間です。おやつと言えば遠足。おやつの代にバナナは入るのか入らないのか?先生に怒られないかどきどきして夜も眠れなくなった事を思い出します。
さて、おいしいご飯と言えば、名古屋の子供達は長い間、スープを入れると熱くて持てなくなる金属の食器を使い、暖かい焼き魚は決して提供されないという、おいしいご飯からは程遠い、寂しいメニューの時代が続いていました。
名古屋市の給食が粗末だという報道から1年半が経ちましたが、私はこれまでにアルマイト食器の見直しや、スチームコンベクションオーブンの導入について質問しましたが、現場の皆さんの協力のおかげで少しずつではありますが、おいしい給食の第一歩が始まりつつあるかと思います。
メニューに、エビフライが3年ぶりに復活したり、カットフルーツであるパインアップルが5年ぶりに復活したりするなど、子どもたちにとって、わくわく楽しい、おいしい給食に近づいているのではないかと思います。
おいしい給食を作るには、素材も大切にしなければなりません。安く買い叩いて産地の人が生活に困ったりしないように、適正な価格で取引が行われている商品を活用するフェアトレードや、持続可能な開発の観点からの、環境や生態系に配慮した素材の使用も大切な観点かと思います。無農薬野菜や減農薬野菜を使った給食もそうした取り組みの一環です。
「オーガニック給食」という言葉をご存じでしょうか。オーガニックとは、いわゆる「有機の」という意味です。
今や大手スーパーでも、有機野菜を販売するオーガニックコーナーのある店舗を見かけますし、食品に限らず、化粧品、衣料品などでもオーガニックという言葉を見かけるようになりました。オーガニックとは、各認証機関によって若干定義が異なりますが、「農場は最低3年以上農薬を使っていない」など基本的に7つの条件を満たすものだということです。
これらのオーガニックの基準を踏まえ、人にも環境にも優しい有機栽培や自然栽培の野菜や米、栄養価の高い食材、精製されていない調味料といった食材を使った給食を「オーガニック給食」と呼び、ヨーロッパを筆頭に世界各地に広がっております。
例えば、イタリアでは、2000年より学校給食で毎日なんらかのオーガニック食材を使用することが義務付けられています。フランスでは2022年までに給食で使う食材の50%をオーガニックにする法律が2018年に成立し、パリ市は、2020年までに学校給食の原材料としてオーガニックと持続可能な食材を50%にするという目標を掲げています。
スウェーデンのマルメ市では、2020年までに全食材が有機認証されることを提言。アメリカのカリフォルニア州では学生の95%が無料でオーガニック給食を実施。ブラジルサンパウロ市では2013年から有機食材を給食に取り入れる政策を打ち出しています。韓国では2021年、ソウル市の全ての小中高校でオーガニック“無償”給食がスタートしています。
国内に目を向けてみますと、2017年、千葉県いすみ市が全国で初めて無農薬無化学肥料の有機米で給食を提供。その他、石川県羽咋市、愛媛県今治市、高知県四万十市、東京都武蔵野市、愛知県東郷町など、積極的に「オーガニック給食」を実施する自治体が増えております。
オーガニック給食は、持続可能な開発目標であるSDGsと大きく関係をしていますが、国内で実施されているオーガニック給食の取り組みは、1日1万食以下の規模の自治体が多く、本市のように12万食となる政令指定都市では実施例がまだありません。理由としては、オーガニック給食を実施するには、食材の収量確保や価格面での課題が考えられるからですが、このまま全国の流れに乗り遅れて良いのでしょうか。
本日は私のこの質問の様子を、オーガニック給食の推進に向けて活動している名古屋の母親を中心とした市民団体「名古屋ママ会」の皆さんが見守ってくれています。
ママ会の皆さん達は、愛知県内の団体と共同で給食の意識調査アンケートを実施しました。全国で5460件の回答があり、うち1026名が名古屋市民の回答だったとのことです。
ここにその一部を用意してきました。
その中で、「オーガニック給食を実施してほしい」と回答した方は、全体の93%となり、『今より給食費が高くなってもオーガニック給食を実施してほしい』と望む保護者も64%だそうです。このことは、保護者の皆さんの意識が、給食の質に向けられていることの表れではないでしょうか。
本市のような大都市で給食へのオーガニック食材の導入が実現すれば、全国的に大きな動きになると予想できます。
学校給食は全体で12万食もの規模なので、それだけの量を賄う食材があるのかという問題もあります。そこで、まずは副食、いわゆるデザートから始めたら良いのではないかと、私はママ会の皆さんにアドバイスをいたしました。
するとママ会の皆さんは、あずきバーを給食に出したらオーガニック給食にならないかと、井村屋さんに話を聞きに行ったそうですがカップの商品が無く残念ながら、マッチングはしませんでしたが、諦めずに、国も、農水省が、オーガニック・エコ農産物安定供給体制構築事業などを通してオーガニック食品の普及を促進していることから、東海農政局へママ会の皆さんと話を聞きに行ったりし、やっと見つけた結果がバナナやアボカドなら確保出来るという見込みになりました。アボカドも美味しいですが、食べるときによごしてしまう。となると最後に残ったのは、運動会の時に私たちの時に必ず出されていた、そう「そんなバナナ」だったんです。
給食にはバナナが今も出ていますが、オーガニックのバナナではありません。うまくオーガニックのバナナが供給できれば、献立に「オーガニックバナナ」と掲載し、給食だよりや食育の授業を通じて、子どもたちが実践的に学ぶ取り組みは、「名古屋市SDGs未来都市計画」につながるのではないでしょうか。
そこで、オーガニック食材として、給食のデザートにオーガニックバナナを給食で提供するお考えはないかお尋ねしたいと思います。
また、「有機栽培」ではないですが、農薬を使用せずに栽培された県内産のみかんも、冬場の旬の食材として12万食程度が確保できるようです。このみかんは「地産地消」でもあるので、地域の食物の生産について学ぶという視点も加わり、本市のSDGs未来都市計画が加速することと思います。
また、先ほどの市民団体のアンケート結果では、「給食に求めるもの」として、「添加物が含まれていない給食」を望むのとの声が68%あり、こういった点からは、給食に昔ながらの製法で作られた天日塩、味噌、みりん、醤油などの調味料を用いることも考えられます。
有機、無農薬、減農薬、無添加、地産地消。いずれも子どもたちにとって安全・安心で、人にも環境にもやさしい「オーガニック給食」の実現につながるものだと思います。アイデアはこれだけではなく、さまざまあると思います。今後しっかりと調査をし、給食に導入可能な食材を検討していただく必要があるとは思いますが、こうした「オーガニック給食」の推進に向けて、取り組みを進めていくお考えはありますか。教育長の見解をおうかがいします。
答弁
令和2年2月定例会において議員からご提案のあった、学校給食における、いわゆる無農薬や減農薬野菜の使用に関しましては、価格面や供給面の課題について、検討を重ねてまいりました。
その結果、議員お尋ねの「オーガニックバナナ」については、12万食の供給が見込めるとともに、現在の給食費の中で使用できるめどが立ちましたことから、この秋から、新たに給食の献立として提供してまいりたいと考えております。学校給食で一斉に有機JAS認証を取得した農産物を提供することは、政令指定都市初の取り組みとなります。
生産者が手間をかけてつくったバナナ本来の美味しさを、子どもたちに味わってもらいたいと思います。
議員が「オーガニック給食の推進」ということで示された5つの要素は、いずれも「食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることの理解を深める」「食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることの理解を深める」などといった学校給食の目標に沿うものと存じます。
子どもたちのために、引き続き、導入可能な食材について検討を進めてまいりたいと考えております。
まとめ
ママ会の皆さんの熱意に動かされ、一緒に国にも話を聞きに行って、日本初となる政令指定都市でのオーガニック給食が、この名古屋からスタートします。実現は無理だと皆が感じていたオーガニック給食が今まさに「そんなバナナ!」が名古屋から始まります。 小さな一歩ですが、オーガニック給食の普及に向けた大きな前進となるかと思います。名古屋から全国へとオーガニック給食が広まって行くことを切に願い、私の質問を終わります。